要約
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入浴は寝る前の1〜2時間前
理想は40℃程度で10〜15分湯船につかる
深部体温の動きが大切
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寝る前にお風呂に入る・・・なんて幸せな時間なのでしょうか?シャワーだけの方、ゆっくり湯船の時間を満喫される方、好みは様々ですね。海外ではシャワーだけの文化が多いようですが、北欧など寒い地域では湯に浸かる文化、サウナ文化があるようですね。日本はやっぱり温泉大国!お湯にゆっくりつかりながらおしゃべりをする、本を読んだり映画鑑賞をする、多くの楽しみ方があります。私は入浴剤を入れてコーヒーを飲みながら映画やYoutubeを見てお菓子を食べる・・最高です!
さて本題に・・・入浴が睡眠に良いのでしょうか?
これには人間の深部体温の変化が重要と言われています。なんか聞き慣れない深部体温という言葉が出てきました。体温には大きく深部体温と表面体温(末梢温)と言われるものがあります。言葉のとおり深部とは体の奥の奥の温度、表面とは体表の温度を指します。日常では表面体温を一般的に測定して評価します。皆さん体温計を脇の下に挟んで測定しますよね。より深部に近い場所として脇の下(腋窩)での体温測定が一般的とされています。では深部温度はどうやって測定するのでしょうか?
病院でも入院中の病棟での体温測定では腋窩(脇の下)で測定します。特に手術中の体温測定は、深部温として食道温、直腸温、膀胱温、鼓膜温、心臓から出てくる血液温などを測定します。直腸も肛門に近いと体表温度に近い値となりますので、より深く深い場所での温度測定が大切です。深部温度と体表温度との差が広がると体表の血流が低下(体表の血流を制限して重要臓器への血流を優先する機能)していることが懸念され、全てではありませんが血液の循環が不十分な状態(ショック状態)と言われることがあります。 40℃のお風呂に10〜15分入浴することで、深部体温が0.5℃程度上昇します。湯上がり後1〜2時間の深部体温が低下するタイミングが睡眠を開始する絶好のタイミングと言われています。これを温泉効果(ホットスプリングス)と言うようです。長く湯船に入るのが不得意な方は、5分程度数回に分けて入浴することでも同じ効果が得られると言われています。また、温泉に入ると温泉成分の塩分や炭酸ガスにより、入浴後の深部体温の低下をより増強させるので睡眠には良いという報告もあります。ちなみに、朝は交感神経を興奮させてスッキリ起きることを目標に、42℃のちょっと熱めのお湯に5分程度入浴する、またはシャワーを浴びることが良いと言われています。睡眠のためには入浴時間やお湯の温度も意識しないといけません。より良い睡眠獲得は大変です。
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