イビキ・・あなどるなかれ・・

睡眠と病気

要約

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・原因は肥満、アルコール、年齢、開口

・睡眠時無呼吸症候群に移行するかも?

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 お父さんのいびきがうるさくて眠れなかった、自分のいびきで起きてしまったなどの経験をお持ちの方もおられるのではないでしょうか?いびきをかくとちょっと恥ずかしい?寝息は可愛い?その境界線はどこにあるのでしょうか?音量によってなのか、長さなのか、聞いている人の主観なのか?イビキと寝息の境界線が知りたい。

 寝息といびきの境界線を医学的に定義することはできないと思います。(私個人は知りません。もし、ご存知の方がおられたら是非教えてください!)いびきも全てが病気というわけではなく、その質と長さが問題と言われています。そもそも、なぜイビキという音が出るのでしょうか?楽器を想像してください。音が出るのというのは、笛のように構造上空気の通り道が狭くなっている事やチェロやティンパニーのように何かが震えている事で音が発生します。いびきや寝息も同様で空気の通り道が狭くなったり、震えたりして発生しています。では何が空気の通り道を狭くするのでしょうか?それは舌の位置が問題となります。

 まず呼吸の通り道の解説からさせていただきます。空気は鼻(医学的には鼻腔)や口より体内に入ります。咳き込むことで飲んだ牛乳が鼻から出た笑い話があるよう、口と鼻は喉の奥でつながっています。胃カメラも経鼻(鼻から)か経口(口から)できるのでイメージしやすいのではないでしょうか?鼻腔や口腔より喉の奥で咽頭となり、空気は声帯を通過して気管→肺へ進みます。食べ物は咽頭から食道→胃と進んでいきます。高齢になると喉頭(咽頭後頭部)の反射が鈍くなり食べ物が間違えて空気の通り道に落ち込みことで、むせこんだり誤嚥性肺炎となったりすると言われています。

 いびきや寝息の原因である音の発生部位として、空気の通り道のどこが狭くなっているのでしょうか?空気の通り道は鼻or口→咽頭(鼻部・口部・後頭部)→声帯→気管→肺でした。いびき音の発生の中心部分は咽頭口部です。仰向けで眠ること重力の影響で舌根部が咽頭口部に落ち込みます。咽頭口部が狭くなることが主な原因で、いびきや寝息という音が発生します。同時に舌や口蓋垂(のどちんこ)等が震えることにより、いびきがさらに増強すると考えられています。そのため悪の根源は・・・重力です!こんなこと言っても地球上に生きている我々にとっては仕方ない事ですが、もし宇宙で無重力での生活が一般的となればいびきはこの世からなくなるかもしれません。また重力以外で空気の通り道が狭くなる要素として、肥満、アルコール、年齢、口呼吸等と言われています。

・肥満は、首周りの外側にも内側にもぜい肉がつきます。当然ながら空気の通り道が狭くなり、舌根沈下で狭窄音が響わたる原因となります。

・アルコールは粘膜をむくませる効果があるため、鼻腔や口腔、咽頭の粘膜もむくみ空気の通り道を狭くする事でいびきの原因となります。お酒を飲んで帰ってきたパートナーが急にいびきをかいているのにビックリしてしまったご経験もあるのではないでしょうか?

・年齢(老い)は避ける事ができない運命です。舌を保持する筋肉の衰えにより仰向けで寝ている状態での舌の保持困難が生じます。それにより重力に負けて咽頭口部に舌(特に舌根)が落ち込むことで狭窄が生じいびきの原因となります。ダンベルやマシンを使用してトレーニングジムで鍛えるように、舌の姿勢保持筋肉をトレーニングできればようのですが、現時点では特に有効なトレーニング方法は見つかっておりません。(色々なデバイスが発売されていますので、注意しながらご購入ください。)

・口が開くと下顎が落ち込みます。それに連動して舌根が後方に落ち込みやすくなるため空気の通り道が狭窄することによりいびきが生じます。口を閉じるテープやバンド、マウスピースなどの使用で少しだけ下顎の位置を保持することで、舌の後方への落ち込みを予防します。効果が期待できるのは軽症の症例に限リます。

 まとめです。正常な方でもいびきをかきます。いびきの頻度と無呼吸の長さが問題であり、酸素飽和度の低下が重要な結果となります。パートナーのいびきにお悩みの方は是非、お酒をやめさせる(他の項目で理由も含めご説明予定)または睡眠専門クリニックにご相談してみてください。

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