要約
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・OSAS“オーサス”って呼ぶとかっこいい!!
・原因は骨格の問題、年齢よる筋力低下の問題、肥満の問題。
・閉塞型・中枢型・混合型があるよ!
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睡眠時無呼吸症候群が世間に注目されたのは、バス運転手による居眠り事故や新幹線での居眠り走行の報道だと記憶しています(記憶違いだったらすいません)。昭和の時代は睡眠中に無呼吸が起こる事を誰が想像したでしょうか?しかも眠っているにも関わらず、無呼吸により覚醒が繰り返され全く眠れていない状態とは・・・・考えもしませんでした。自分も父親と深夜バススキーツワーに参加し夜中にペンションに到着して仮眠をとっている時、睡眠中の父親の息が止まっていることに驚いたのと同時に他のツワー客にジロジロ見られて、恥ずかしさやいたたまれない感覚になったのを今も覚えています。
睡眠時無呼吸症候群には閉塞型、中枢型、混合型があります。閉塞型は文字通り舌の後退と落ち込みにより気道閉塞による無呼吸です。それに対し中枢型は脳から呼吸する信号が途絶えることにより、無呼吸が生じてしまう疾患です。チェーンストークス呼吸や不整脈合併のケースが実際の臨床では多い印象です。閉塞型と中枢型が混在する混合型も数%存在する印象です。中枢型は非常に少数であり、閉塞性が大多数といってもよろしいかと思います。
多くが閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS:Obstractive Sleep Apnea Syndrom;オーサス)の患者さんですので、少し詳しくご説明させていただきます。オーサス(OSAS)なんて言うと、ちょっと専門家っぽいので・・“オーサス・オーサス”と覚えておいてください。OSASと診断された患者さんに検査結果説明をすると、20代の頃には、こんな経験はなかったのに・・・なんでこんな事に・・・とつぶやかれます。確かに不思議と思いませんか?それには理由があります。
OSASの原因は大きく3つ、舌保持筋肉の緊張低下、体重増加に伴う咽頭部の狭小化、顔面や下顎の骨格の問題です。第一に、加齢により舌保持筋肉の緊張低下により舌根部が口咽頭に落ち込むことで気道の閉塞をきたします。睡眠時の姿勢は一番楽な仰臥位(仰向け)が70%〜80%程度であると言われています。仰臥位での睡眠の場合は特に舌の落ち込みが著明であり狭窄をきたします。第二に体重増加により首周りにお肉が付着、当然内側にもお肉がついていますので気道が狭くなることで舌の落ち込みに特に影響が出ます。20代と同じ体重の方・・・何人いますか?私はだいぶ増えてしまいました。第三に、アジア人特有のひらたい顔族(なんかこんなネーミング・・映画作品でありませんでしたでしょうか?)の骨格のため、狭い上気道により、これも舌根の落ち込みによる影響を増強させてしまいます。つまり、年老いてデブになって無呼吸になると言うことです(ちょっとひどい言い方ですね!)。やっぱり歳はとりたくないですね。皆さんが素敵に年齢を重ねられることをお祈りしています。ちょっと話が長くなりますので、次の項目でOSASの体への影響やOSASの治療のご紹介をさせていただきます。
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