要約
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・夕食は就寝4時間前まで
・胃腸(消化管)の働きと深部温度に注目
・食べてすぐ横になると牛にはならないけど、消化吸収にも睡眠にもベストではない
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ご飯をお腹いっぱい食べると眠くなりますよね!ランチをした後なんて、めちゃめちゃ眠くて授業や仕事も手が付かないこととか・・もう我慢ができないから、ちょっとだけ寝ちゃうこともしばしば・・・。それって良い睡眠、深い睡眠が得られているのでしょうか?
1つわかっているメカニズムとしては、食事をすると血糖値が上昇し満腹のサインであるホルモン(レプチン)の分泌が上昇します。すると空腹サインのホルモン(グリシン)が低下し、オレキシン分泌抑止が生じます。オレキシンは覚醒に関係するホルモンですので、分泌抑制が生じることで睡魔が襲ってくという機序です。人間も動物ですので空腹は生命の危機、寝ている場合ではないと言うことです。
しかしながら、夜ご飯をお腹いっぱい食べるとなんだか寝つきが悪い経験をしたことはないでしょうか?胃腸が保たれている?年齢のせい?若い頃はこんなことなかったな〜なんて思います。血糖値が上がり眠気がある。しかし寝付けない。なんでなんでと言った感じです。その答えの1つの要因と考えられているのは深部体温の変化です。食事をすると胃腸の動きが活発になり深部体温が上がります。お風呂に入った後と同様に深部体温が低下する時が睡眠に最も適しているため、胃腸が消化のために活発に活動し深部温度が高い状態は睡眠環境にベストとは言えません。焼肉やステーキを満腹まで食べた時と、蕎麦やうどんをすすった後では異なるかと思いますが、消化管の活動が落ち着くまでに要する時間は約3時間と言われています。そのため余裕をもって就寝4時間前には食事を終えることをお勧めします。手術前の絶食期間(胃内容物の停滞による誤嚥の防止のための絶食時間)は、資質を含む肉類は8時間、その他の食事は6時間、クリアウォーター(水やお茶等)は2時間と言われています。つまり消化されて胃から腸へ移行するのに必要な時間です。そもそも腸でも吸収等で消化管活動が行われているので、睡眠4時間前までの食事終了でも短いかもしれません。そんなこと言い出すと夕食は食べるな・・と言うことになってしまいますので、0時に就寝される方はせめて20時より前には夕食を終えるように心がけましょう。
でも、仕事で帰宅が遅くなるから無理だよ〜という声が聞こえてきますね。厳しい言い方をすれば“食べるな!!”、です。痩せるし・・と頭ではわかっているんですが、できませんよね。はい、私もできません。そんな方には、分食することをお勧めします。友人のマッチョ(ボディービル選手=正確にはクラシックフィジーク選手)の考え方ですが、分食して分食して胃を小さく小さくすることが、美しい筋肉をつくる秘訣だそうです。ちょっと関係ないお話になってしまいましたね!
小さい頃両親にこんなことを言われた記憶はないでしょうか?
“食べてすぐ横になると牛になる”
お行儀が悪い子供に対して、行儀良くさせるために言われていると思っておりました。その一面もあるのですが、前に述べたようにすぐ横になり睡眠を開始すると、消化管活動により深部体温が上昇してより良い睡眠がとりづらい状況になります。さらに睡眠中には、あまり効率の良い消化活動は獲得できない傾向があります。座って静かにお休みすることで、消化吸収の促進をさせることが大切なようです。睡眠のためには筋肉を育てるマッチョたちと同様に、食事にも意識して生活しないといけません。あ〜大変ですね!
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