閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療法はない!!

要約

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・OSAS(成人)を完全に治すことはできない。

・治療(対症療法)はマウスピースがCPAP(シーパップ)

・20%体重を落とせば改善する・・かも・・

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OSAS(オーサス)の成人における完全な治療法はないと言われています。え〜〜〜!!!衝撃的な事実です。“そんなこと言われたら、どうしていいか分からない”と言うご意見をいただきそうです。現時点までに世界中で色々なOSASの治療法が試されてきました。扁桃腺を切除したり、口蓋垂(喉ちんこ)を切除したり、口蓋垂の裏側になるアデノイド切除、口蓋垂の周辺組織も切除等行われてきました。労力と術後出血等のリスクを考えると、成人において外科手術において十分なOSAS治療効果は得られなかったようです(症例によって効果有りの場合もありますので、担当の先生のご意見を聞いてください)。

 OSASの治療法は現在2つです。

①マウスピース

②CPAP(Continuous Positive Airway Pressure: 持続陽圧呼吸療法;シーパップ)治療です。

まず①マウスピースによるOSASの治療ですが、軽症〜中等症に適応があります。マウスピースをかっこ良く専門的に呼ぶと、OA(Oral Appliance:口腔内装置; オーエー)ですので、これからはOA(オーエー)と呼ぶことにします。OAはマウスピースですので一般の病院ではなく歯科医院で歯科技工士さんに作成していただくものです。ただ歯ぎしりのOAとは異なり上下セット(結合型や分離型)となります。そのOAを用いて志村けんさんのギャグである“アイ〜ン”の口の形(下顎を突出した形)を睡眠中に維持することで無呼吸低呼吸に効果が生じます。この下顎突出の調整が非常に難しいと言われています。下顎突出をすればするほど、いびきや無呼吸の治療には有効です。しかし無理な口の形状となりますので歯と顎関節に強いストレスを与えてしまいます。1mm単位での下顎前方突出の調整を歯や下顎の痛み確認しながら行う、プロと仕事ですね! 

 中等症〜重症のOSAS患者に対しては②CPAP治療が選択されます。英語のとおり、マスクを装着して持続的に陽圧を鼻腔〜咽頭〜肺にかけることで、舌の咽頭後壁への落ち込みを予防しOSASを治療します。時折nCPAPの記載を目にします。nって何?と言うご質問をいただきますが、nasalのことであり経鼻的と言う意味です。CPAP治療の多くは鼻にマスクをあて治療します。口がどうしても開いてしまう場合には、口鼻一体型マスクを用いて陽圧をかけることもあります。CPAP設定圧や設定モード等を個人個人に合わせて調整し、その患者さんにあった治療圧を実現します。この設定についても、かなりマニアックが世界ですので別の部分で詳しく簡単に説明させていただきます。

また最近はCPAP使用困難例に対して舌下神経電気刺激療法という治療も大学病院レベルで開始されています。これは舌下神経を呼吸に合わせてペースメーカーのような装置で刺激、舌の筋肉を刺激することで舌の咽頭後壁への落ち込みを予防する治療です。医療はどんどん進んでしますね〜!私は最近常々思います。医療の世界も経済の世界もサービスの世界も飲食の世界も一生勉強し続けないとおいてきぼりになってしまいますね。皆さんは毎日とは言いませんが、週に数時間は自分のために勉強していますか?私は・・・・頑張りま〜す!

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